ちょっぴり茶話 お茶と落語

日本の文化であるお茶と落語。

落語は登場する人物を一人で演じて話す伝統芸能で、はなしの終わりに「落ち」があるということで落語と呼ばれるようになったそうです。

TVやCD・DVDなどで身近で落語を楽しめますが、やはり間近で楽しむには寄席に行くに限ります。

噺家さんによっては話される側にお茶置かれることもあり、さらにその楽屋裏では、前座(噺家の卵)さんたちが師匠に慌ただしくお茶を出されているそうです。

表でも裏でもお茶と落語は切っても離れない関係なんですね。

今回はそんな落語のお話の中から「茶」を使ったお話しをご紹介します。



茶の湯

家督を息子に譲った大店のご隠居。

隠居はしたものの毎日することがなく、退屈で仕方がないので息子が作った茶室で小僧と二人で暇潰しにお茶をすることに。

何をそろえていいものか、どうしたらいいものか、とんと分からない二人は茶を点てるためにいろんなものを混ぜ合わせ、とても飲める代物ではないものをお客に飲ませていきます。

さらにはそれにあった茶菓子まで素人の二人が作り、振る舞ってしまいます。

現在でいう殺人?ティーパーティーに呼ばれた不運なお客とケチな隠居のお話し。



お茶汲み

狂言の「黒塗女」に似た落語です。

男たちが集まって女遊び、自慢話をしています。

そこで、ひとりの男が出会った女郎の話となり、その女郎がいうには死んでしまった好いた男にその男がうり二つ。

これもなにかの縁。何とか頼りになってもらえないかと・・・。

涙を流しながら話す女郎に何度も会ううちに、その涙の正体を目にすることに。

それを見た男はいっぺんに冷めてしまい、仲間達に話しています。

よし俺が仇をとってきてやると、別の男が女郎の元へ出向いていき、一騒動あるお話しです。



荒茶

戦国武将のドタバタ劇。

秀吉の死後、その臣下の石田光成派と反対派に分かれました。

その反対派の大名達の茶会の出来事。

徳川家康の家臣で知恵者との本多正信が催した茶会に細川忠興、加藤清正、池田輝政、福島正則、浅野幸長、黒田長政、加藤嘉明の7人が招待されることに。しかし茶道の心得のあるのは細川忠興のみ。

そこで残りの六人が申し合わせて細川忠興の真似をすることに・・・・。

濃茶の回し飲みをする途中、加藤清正の髭が茶の中に入ったり、池田輝政が一度飲んだ茶をまた茶碗に吐き出したり。

それを最後の福島正則が一気に飲み干してしまったりとハチャメチャな茶会のお話しです。



その他にも有名な「まんじゅう怖い」や「法事の茶」など、お茶がキーポイントの落語もたくさんあります。

今回ご紹介したお話しは「落ち」までご紹介していません。

この続きが気になる方は、お茶を飲みながら落語を聞いてみてはいかがですか。