茶道のお茶菓子、どんなものがあるの?

お茶菓子は、抹茶の味をより美味しく引き立ててくれるものとして必要であり、また美味しいだけではなく、そのひとつひとつに季節を感じさせてくれる楽しみ方があります。

茶道では濃茶の前に頂く「主菓子(おもがし)」と薄茶の時に振る舞われる「干菓子(ひがし)」の2種類のお茶菓子があり、甘みが干菓子よりも強い主菓子は、苦みのある濃茶飲んだ後に甘みが口の中に残るように作られています。

今回は「主菓子」の種類をご紹介します。




上生菓子

和菓子の中でも格の高い和菓子を「上生菓子」と呼び、茶道で頻繁に振る舞われるお茶菓子で、代表的なものとして、練切りやきんとんなどあります。

練切りとは、白あんを求肥と混ぜあわせ練り上げたもので、木型やヘラや手で様々な形に仕上げたり、着色し彩りを表現できるお菓子です。また、山芋などを使って練り上げた「薯蕷(じょうよ)練切り」というものもあります。

きんとんとは、あん玉や求肥を小さな芯にして、ざるなどで裏ごししたそぼろ状のあんを箸などでふんわりとつけたお菓子です。切ったときの断面が非常に美しいです。



朝生菓子

日頃、私たちが口にする一般的な和菓子がこの「朝生菓子」です。

大福や柏餅、お饅頭など私たちがよく耳にするものが代表的で、その他にも桜餅やどらやきの皮を薄くしたものに求肥を包んだ調布・若鮎などがあります。

字の通り、朝に作り上げたものをその日のうちに売り切ってしまうものというほど、日持ちがしないお菓子ですが、冷凍保存をし、食べる時に常温で解凍すれば美味しくいただくことができます。



水もの菓子

暑い夏を涼しく癒やしてくれる「水もの菓子」は寒天や葛などを使用し、口触りのよいお菓子のひとつです。

透き通った寒天などに清涼感を感じさせる羊羹やフルーツを入れ、味をもちろん、見た目や彩りで季節を感じさせてくれます。

水もの菓子の口の中に広がるさわやかな甘さが、苦みのある抹茶の味を引き立て、優雅で落ち着いた時間を楽しむことができます。夏以外にも楽しくことができるので、一度お点前を。